思い出色の街、林檎の朝

日記

冷蔵庫からか細い声が聴こえる…。

『ソロソロ限界ダヨ…食ベテー…』

野菜室を探ると、真っ赤な実がころり。

そういえばだいぶ前にりんごを買ったんだった。

底のところがちょっとだけ茶色くなっていて、くたびれたご様子…。

ごめんね忘れてて。

さて、もうそのまま食べても、もそもそしておいしくないだろうこのりんごをどうしようかな?

焼き菓子…あ、小麦粉切らしてる…。

うーむ。

そういえば、子どもの頃初めてひとりで作ったお菓子がりんごのアイスクリームだったなぁ。

自分でアイスクリームが作れるなんて魔法みたい!って感動したなあ。

なんとなくそんな思い出を胸に、即席りんごアイスを作ってみることにしました。

さっぱりりんごアイス

『者ども、であえであえ!』と、かき集めた使えそうな材料達。

気合いを入れてアイスクリームを作る時はちゃんと生クリームを買いますが、もちろん常備なんてしていないので牛乳で。

その分さっぱり仕上がるだろうから、練乳も入れてバランスを取ろう。

余談ですが、練乳はタルタルソースやポテトサラダを作る時に入れるとコクが出ておいしいので、常備しています。

それから、期限が近づいてるヨーグルトも入れちゃおう。

適当に細かく切ったりんご1個、お砂糖大さじ2、蜂蜜大さじ1、ラム酒大さじ1

を、弱火にかけてくつくつ。

きび砂糖を使ってますが、お砂糖ならなんでも大丈夫。

焦げそうな時は、ほんの少しお水を足します。

りんごが煮えて透き通ったら、

牛乳200ml、練乳大さじ1

を入れ、沸騰直前で火を止めて冷まします。

甘みは冷たいと感じづらくなるので、味見して『うわ、甘!』くらいでも大丈夫。

あら熱がとれたら卵黄を一個まぜまぜ。

黄身が固まる温度は65℃らしいので、温度に注意。

完全に冷めたらヨーグルト小さいのをひとパック。

温かいうちに入れると分離します。

フードプロセッサーで撹拌したら、そのまま冷凍庫へイン!

初めはなかなか凍らないので1時間半待ち、少し凍ってきたら1回撹拌。

2回目からは30分おきに3回くらい、なめらかになるまで撹拌をくり返します。

混ぜ終わったら、タッパーにうつしてよく冷やし固めます。

休憩タイム

待ってる間はお昼ごはんでも。

あまっていた鰹を漬けにして、たっぷりの薬味と一緒に酢めしにのっけて、てこね寿司にしました。

お野菜は夜ごはんに食べればいっか!

手こね寿司 - Wikipedia

完成

思いつきで作ったのでトッピングも何もない、なんとも素朴な佇まい。

りんごと蜂蜜の香りがふんわり。

クリームではなく牛乳なので、少しシャリっとした食感がヨーグルトの風味と合ってさわやかです。

というか、みんなの知ってるりんご蜂蜜ヨーグルトの味ですね。

おいしい!

さっぱりしていてたくさん食べちゃう。

フードプロセッサーが無い場合は、りんごをすりおろすか細かくみじん切りにしても食感が変わってよさそうです。

今思うと、子どもの頃に作った時はりんごはみじん切りにした気がするなぁ。

あの時のわたしは、どうしてりんごのアイスを初めてのお菓子作りに選んだんだろう?

特別好きなわけでもないりんご。

母とよく作っていた焼き菓子ではなくアイスクリーム。

インターネットが普及していない時代。

実家の料理本にもそんなレシピが載っていた記憶はない。

母のラインナップにアイスは無いから、教えてもらったとも考えられない…。

理由は忘れてしまったけれど、ひとりで作れてうれしい!とびきりおいしい!っていう気持ちはいつまでも記憶に残るということ。

小さい頃から歳をとっても、お台所に立って両手を動かすだけで、そんな思い出が作れるということ。

ものを作って食べるのはすごいことだなあと思うのでした。

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